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――女性の噺家さんの「色香」を楽しみに来る男性客もいますが、高座であまり女性を意識しているのが見えると、女性客は引いてしまうことがあるんですよね。 ぼたん その辺りのさじ加減が難しいと思うんですよ。あまり「私は女です、女です」と強調しすぎても、逆に男に負けまいと張り切りすぎてもよくないし。でも、落語協会の最近の女性の前座さんたちを見ていると、無理に男と競おうとしないで自然体で自分の持味を出せるようになってきていますね。いい傾向ではないかと思います。 ――ぼたんさんは新作のほうは? ぼたん やりますよ。学生時代は新作派だったんですけど、もっと面白い人、うまい人、発想のすごい人がいっぱいいて、知れば知るほどできなくなってしまいました。でも今年は絶対、新作をやります。 ――新作をつくるのは大変ではないですか? ぼたん 登場人物の男女を入れ替えればいいとか、簡単そうに言う人もいますけど、そうはいかないですよね。OLや女子大生ものを勧める人もいますが、あやめ師匠(※11)やつくし姉さん(※12)の二番煎じになってもいけないし。先輩方とは違う路線を開拓するには、もう一歩踏み込んで考えていかないと。 昨年は新たに高座にかけたネタは多くありませんでしたが、映画、芝居、旅行と大いにインプットできた年でした。入力しないと出力もできませんからね。あまり観なかったテレビも観 |
るようにしたし、いろいろな方に会ってお話を聞いたり、観察したりもしていました。今年は新作をつくるアウトプットの年にしようと思っています。 ――「倶楽部ぼたん」の会場は一般の住宅の2階なので、初めての人には、ちょっと敷居が高い感じがしますが。 ぼたん 確かに最初は入りづらいんですが、一回来ていただければ、雰囲気になじんでいただけると思うんです。いい落語を提供することはもちろん大事なんですが、うちの会は一種のコミュニティとしても機能しているんですよ。今は地域や家族の人間関係が希薄になっていて、孤独を感じる人も多いでしょう。月一度でも会に来れば学校や会社の人以外と交流する機会ができますから、「お一人でも気軽に来てください」と皆さんにお声がけしています。 名前を覚えたり、言葉を交わしたりして情が深まる、そういうつながりを大事にしていきたいので、深夜寄席でも早朝寄席でも自分が表に立てるときは立って、ふれあう機会をつくるようにしています。そうやって感謝の気持ちを表に出していきたいという思いもありますし。 ――その点はホール落語は限界がありますね。 ぼたん でも、チケットを買いやすいのは、そっちだと思うんですよ。皆さん『ぴあ』とかの情報誌で調べるでしょ。初めて落語を聴く人は『東京かわら版』(※13)なんて知らないし。ネットで調べて(※14)、もっと料金が安い小さい会も楽しんでいただきたいですね。 |
※11 桂あやめ。1964年兵庫県神戸市生まれ。82年五代目桂文枝に入門。前座名「花枝」。94年三代目桂あやめを襲名。 |
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本名:近田登司枝。1980年1月18日、静岡県浜松市生まれ。2002年3月、林家こん平に入門。同年6月より前座。05年5月、二つ目昇進。寄席や落語会出演のほか、インプレスTV共同企画「インターネット落語会」のナビゲーター、日テレ系「笑点」のアシスタントを務めるなど幅広い分野で活躍中。定例会は「倶楽部ぼたん」(月1回)のほか、「たぼきんトリオ」「ジェムストーンズ落語会」(年4回)など。2016年3月真打昇進。ブログ→林家ぼたんのブログ ホームページ→F.C.ぼたん |
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