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――落語、ラジオ、執筆活動‥‥。 志ら乃 あとは声優の養成所や大学の講師をやったり。もっとも、落語以外の仕事量が増えて、落語より多くなっちゃうのが一番よくないんですけどね。本末転倒でしょ。落語しかやらないわけじゃなくて「何でもあり」なんだけど、落語の仕事がうまく残っていけば他はなくなってもいいんだという感覚はありますね。 今まではずっと「楽しい、以上」で終わってた。落語だけじゃなく、高校、大学、二つ目試験と、「印象」だけで要領よくすり抜けてきたんです。 二つ目試験のときは、一番手のらく坊兄さんがものすごく陽気にやったんですよ。それを見た家元が「最近の落語はみんなこんなになっちゃった」と言ってるのをたまたま耳にしたので、「じゃあ、ボソボソやったらいいんだ」と「道灌」をすごく抑えめにやったら、家元が「それだーっ!! おれの目の黒いうちはおまえはずっとそれをやってろ!」と。いつもやってたのは全然違う。らく坊さんと同じように「わあわあっ」て、賑やかにやってたのにね(笑)。そうやって表面的な印象だけで、うまくやってきたわけだけど、最近これじゃいけないと気づいたんです。 ――何がきっかけで、いけないと思うようになったんですか? 志ら乃 一昨年の真打トライアル(※14)、それと昨年のネタ下ろしの会の勉強不足ですね。 ――トライアルは自分で企画して? |
志ら乃 そうです。形を作ってセッティングすれば、やる気が出て、自動的に真打というものが降りてくる、みたいな発想がどこかにあった。やってみたら肝心の中身がスカスカ。本当の目的は真打っていう肩書じゃなくて、真打と呼べる状態に自分がなっているかどうかなんですよね。大事なのは中身なんだと思い知ったわけです。今は中身を埋めようとして、「楽しきゃいいや」でやってきたツケに苦しんでいるところです。やるべきことは山積しているのに、まず勉強の仕方がわからない(笑)。 ――近々、次の真打トライアルを? 志ら乃 そうですね。今「志ら乃大作戦」で動いているのはその一環です。ただ、真打という言葉が先行しちゃうけど、真打に昇進したからって人気が出たり、お金が儲かったりするわけじゃないでしょ。実は前座も真打も関係ないんですよ。「世間をどれだけ納得させて、名前を売っていけるのか」ってことですから。以前は「名前が売れればいいんだろ」と中身が伴わないことばっかり考えてた。そうじゃなくて、芸事でやればいいんです。20代のうちに気づいていればなあ。気づくのが遅すぎたから、やるべき宿題がたまっちゃって今、大変な思いしてるわけ。 ――どういう方向性でいくか、迷いとかもあったんですか? 志ら乃 ありましたね。がっぷり四つに組んで一番、納得いくのが落語だということがわかったので、後はやるだけですね。 |
※ 14 2007年11月開催。毎月独演会開催などの条件付きで内定(再試験)。08年1月から10月、毎月4本のネタ下ろしの会「真打ちになりた~い!」を開催。09年3月より月例の独演会「志ら乃大作戦」を開催中。
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本名:狩野徹。1974年2月24日東京都千代田区生まれ。1998年3月立川志らくに入門。2003年5月二つ目昇進。2013年12月、真打昇進。
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