――奥様とは落語がきっかけでお知り合いに? 駒次 そうじゃないです。かみさんは落語には全く興味なくて、知り合ってから、あたしが出演するときだけ聴きに来るようになったの。師匠のおかみさんも(落語は)全然興味ない。師匠に猛アタックされて。 ――駒次さんも猛アタックしたんですか? 駒次 猛アタックしました。お金持ってないことは伏せて(笑)。 ――結婚もすんなり決まりました? 駒次 2年半ぐらい付き合ってて、特に反対はなかったですねえ。かみさんのお父さんは元競輪選手なんで、サラリーマンよりは(落語家という職業に)理解があったかもしれないですね。 あたしの結婚が決まってから、一門の若手が続けざまに結婚したんですよ(※15)。志ん公兄さんや志ん八兄さんは「何で結婚なんかすんの?」とずーっと言ってたのに、ある日、志ん公兄さんが突然「おれはおまえに負けねえ」って、あたしより先に結婚したんです。 ――ライバル意識ですかねえ‥(笑)。駒次さんは新作の若手として、大きな期待がかかる一人だと思いますが。 駒次 まあ、頑張りたいですね。「鉄道」とか特に新作のテーマを決めてるわけじゃないので、いろい |
ろやっていきたいですね。 ――これからも新作中心に? 駒次 五分五分って感じですね、今は。古典は新作やるときの勉強にもなるんで、できるだけ入れ事しないでやりたいんですよ。新作で今のことをやってるんで、古典は古典なりの楽しみ方で、っていうのが理想ですね。 ――好きな古典はありますか? 駒次 「味噌蔵」とか「二番煎じ」とか、冬の噺が好きなんですよ。まだ、やろうとは思わないですけど。雰囲気を出すのが難しいんですよね。 ――「落語の魅力は江戸情緒だ」っていう人もいますが。 駒次 懐かしさみたいのは一応、残したほうがいいと思うんですけど、かと言ってねえ、江戸情緒だ、粋だってのは嫌なんで。粋を目指して、似合う人と似合わない人がいるじゃないですか。 ――いろんな落語があっていいんですよね。 駒次 そうです、そうですよ。寄席が面白いっつーのはそれですよ。あたし、最初に寄席行ったとき、それ思ったんですよ。お客さんもいろいろだし。落語って、教えられてできるもんじゃないですから。ひっくり返すと、教えられたとおりに一生懸命やろうとしても、そこからはみ出ちゃうのが、その人の個性じゃないかって気がしますね。 |
※15 2008年に古今亭志ん五門下の二つ目、朝太、志ん公、志ん八がそろって結婚した。 |
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本名:村本草介。1978年12月23日、東京都渋谷区生まれ。2003年3月、古今亭志ん駒に入門。同年6月より前座。07年2月、二つ目昇進。港区赤坂で勉強会を隔月開催しているほか、「池袋たまごの会」、「せめ達磨」(中野)、「新古今若衆」(日暮里)、「怪談噺の会」などに出演中。2018年9月真打昇進。古今亭駒治に改名 |
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