ごあいさつ昨年夏、ご近所に自宅を改装して寄席を始めたお席亭さんがいると知り、「これはぜひとも話を聞いてみなければ!」。駅前のブティックが月に1回、シャンソンライブを行っていると聞けば、「こちらも話を聞いてみなければ!」と、シンプル思考の赴くまま押しかけ取材を敢行。本業の合間に原稿を書き、HTMLの入門書と首っ引きで、ようやくウェブのページになりました。 どこの馬の骨ともしれないおばさんのホームページのために、快く貴重なお時間を割いてくださいました「徳丸 三凱亭」とブティック「ニコール」の関係者の皆様、噺家の皆様、本当にありがとうございました。 テーマはシャンソンと落語。一言で表せるタイトルがどうしても思い浮かびません。トップページをつくり始めた1月20日の深夜(正確には21日に日付が変わるころ)、東武線の変電所近くの踏み切りで、街灯の明かりに照らされ、たたずむタヌキを目撃。「練馬のタヌキ」というタイトルが一瞬、ひらめきました。しかし、東武練馬に20年近く住んでいて、近所で野生(野放し?)のタヌキを見たのは3年ぶり2度目。あまりに出現がレアなので、もっとメジャーなネコをとりあえずのタイトルにしました。いずれメインタイトルは変えるかもしれません。 今後はやっつけでつくったデザインに手を加えつつ、二つ目さんのインタビューなど、内容を少しずつ充実させていきたいと思っております。お手すきのときにでも、気分転換にお寄りいただければ幸いです。(2008年2月) |
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北町きらきら亭観客は学童保育の小学1年〜3年と、福祉作業所に通っている知的障害のある方がそれぞれ30人ぐらい、それに少々の地域住民。 会場は学校の教室2つ分ぐらいの広さの明るい作業室で、前半分はブルーのビニールシートが敷かれた小学生席、後ろ半分が作業所の皆さんの椅子席。準備や後片付けも、作業所の利用者の皆さんが世話人や職員の方々と一緒にてきぱきと行っていました。 高座の真下に群がるように、びっしり詰めて腰を下ろしていた小学生の皆さん。世話人の方に「もっと前を空けて」と言われ、渋々後ろに下がっていきました。 にこにこと優しい表情の施設長の司会で寄席が始まり、演目は落語、講談、漫談の3席。まず落語芸術協会所属の橘ノ美香さんが、学校寄席では定番の「寿限無」を噛むことなく、子供たちにもおなじみのタレント名を入れたりしながら、テンポよくこなしていました。 次は講談協会の一龍斎貞寿さん。花柄の紅い着物もあでやかに、ところどころ解説をはさんで分かりやすいよう工夫してくれましたが、壊れた水道のように鼻水が止まらなくなる子、水筒のお茶をこぼして泣き出す子、体ごと斜め後方を向いて、それをガン見している子と、落語や講談の間も忙しい小学生。小学生席の端に紛れ込んでいたため、講談は半分ぐらい聞き逃し、帰宅してからネットで調べたら演目は「秋色(しゅうしき)女」でした。 演目ごとに演者とのQ&Aタイムが設けられていましたが、観客の最大の関心事は「年齢」と「彼氏(彼女)はいるか」。 小学生に「彼氏は?」と聞かれた貞寿さん、「実は1ヵ月ほど前に結婚したんです」と嬉しそうに答えると、すかさず小学生が「子供は?」。 「子供はいないんです。だんなさんと2人なんですよ」と答えるそばから、「でき婚ですか?」と別の小学生。 子供はいないっつーのに。ジミ婚、ハデ婚みたいなものと思っているのか、「でき婚」に大盛り上がりの小学生。 漫談はバイオリン漫談のマグナム小林さん。同じく新婚のマグナムさんに「彼女」の質問をしたのは、作業所に通う若い女性。 「私がなぜそれを知りたいかって言うと、KinKi Kidsが好きだからです」 「そ、そうですか」と困惑するマグナム。 「私はKinKi Kidsのファンなんです」と追い討ちをかける若女。 「それはありがとうございます。私がKinKi Kidsになり代わってお礼を言います」とマグナム。 25年ぐらい前、甲子園の阪神側応援席で、応援団長が「皆様〜っ! 本日はご来場誠にありがとうございまぁ〜す! 私、小津球団社長になり代わり、厚く御礼申し上げまぁ〜〜す!!」と絶叫して大うけしていたのを思い出しました。 北町きらきら亭、落語や講談をじっくり聴くという会ではありませんが、小学生や作業所利用者の皆さんが名前の通り、きらきらしていて楽しい雰囲気です。地域の人に作業所の存在や役割を知ってもらい、交流を図ることも寄席の目的の一つだと思うので、地域住民の参加がもう少し増えるといいのかもしれません。気軽に生の落語や講談に触れることができる機会でもありますから、お近くの方はぜひ一度、足を運んでいただければと思います。 次回のきらきら亭は来年1月の予定ですが、今年はこの後、作業所の夏祭り、秋祭りがあるそうです。(2008年4月) |