「徳丸 三凱亭」で落語会を主催
                                             守口滋章さん
 落語を聴き始めたのは1960年代の半ば、ちょうどホール落語が盛んだった時期です。学生のころは紀伊國屋ホールなどに通って、今は伝説の人となった文楽、正蔵、小さん、圓生らの芸を楽しんでいました。圓生以外は、もう先代になってしまいましたね。そのうち仕事が忙しくなり、高座を観る機会はほとんどなくなっていましたが、十数年前から“落語熱”が復活して、また寄席に足を運ぶようになっていました。
 自分で落語会を主催するようになったのは5年ほど前、仕事で付き合いのあった都内の飲食店から「宴会用スペースの稼働率を上げたい」と相談を受けたのがきっかけです。まずスペ
守口さん
ースを見てもらう機会をつくろうと、若手を集めて月1回、落語会を始めました。店に客足が戻って稼働率が上がってくると、今度は落語会の日程が押さえにくくなり、約1年半で会は終了しました。
 噺家が芸を磨くには人前で経験を積むことが大切で、壁に向かってしゃべっているだけでは、いくら練習したところで上達しません。飲食店の落語会に出演してくれた談奈(立川、当時はフラ談次)や金兵衛(三遊亭)ら若手から「高座に上がる機会が少ない」という悩みを聞いて、後をどうしようかと考えていたとき、ネットで三凱亭が貸席をしているという情報を見つけました。下見に行ってみると、小規模ながら、なかなか立派な寄席です。都心からもそう遠くないので、お世話になることに決めました。
 私の場合、若手を応援したいという思いが落語会を主催する大きな動機になっているので、高座は前座や二つ目にお願いしています。落語ブームで以前より落語会が増えたとはいえ、若手の修業の場はまだまだ充分とはいえません。
 三凱亭のような寄席は落語界にとっても、地域文化という点でも貴重な存在ですね。当面、自分の主催を増やす予定はありませんが、若手の落語家が人前でしゃべる機会を日常的に確保できるような仕組みを、何とか形にできないものかと、ときどき考えています。



主催スケジュール
奇数月開催
開場14時
開演14時30分
ひとりかい
三遊亭金兵衛
当日1000円
年4回前後
開催
開場17時30分
開演18時
ふたりかい
立川吉幸
立川談奈
当日1000円 

お問い合わせは、090-7720-9578(守口)まで

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