Mihoko(みほこ)

Mihoko


「ピアノの弾き語りがやりたくて、高校3年のとき自分で仕事を見つけてきて、アルバイトを始めました。大人の歌も歌えるようになりたいと、歌を習った先生がたまたまシャンソンの先生だったんです」

シャンソンやポピュラーのコンクールで準優勝など好成績を収めて、石井好子さん、宇井あきらさんに師事し、本格的にシャンソンの世界へ。1982年、83年にはパリ祭出演など華々しい活躍を経て、結婚を機に休業する。

「20代のころは、まだシャンソンの魅力がわかっていませんでした。弾き語りの仲間に薦められて、ジルベール・ベコーや越路吹雪さん、岸洋子さんのレコードを聴いていましたが、当時は聴くのも歌うのもカンツォーネのほうが好きだったんです」

休業中の2002年夏、旧知のジャズダンスの先生などを通して唯文さん、さらに「ニコール」オーナーの小口さんと出会い、意気投合。2人から「また歌えば」と勧められ、「ニコールライブ」でアーティスト活動を再開。若いときは理解できなかったシャンソンのすばらしさを感じるようになる。

「シャンソンって、ステージに人となりが出ちゃうの。生き方とか、歌に対する想いとか。楽しいことにも、つらいことにも真剣に向き合って、いい人生を送っていないと、いい歌が歌えないんですよね。シャンソンに感じるのは、歌を通して言葉を伝えることのすばらしさ。以前は他人が書いた詞で歌っていましたが、今は自作の詞で歌っています。想像の中から生まれた言葉も含めて、自分の中から湧き上がってきた言葉を大切に伝えたいという想いがあるので、それだけ曲に対する愛情が深くなるんです」

2002年の年末にスタートした「ニコールライブ」は、2004年2月の第1日曜日から月1回の開催に。以来、Mihokoさんは欠かさず毎月、出演している。

「一度中断してしまうと、また歌い始めるのは勇気がいるんです。果たして歌えるのかなって。だから、唯文さんや小口さんに引っ張っていただいて、歌い始めた「ニコールライブ」は、私にとって月に一度、必ず帰ってきて、「ここから始めたんだね」って原点に戻れる場所。新鮮な気持ちで次の1ヵ月を頑張る力をもらえる、ホームグラウンドみたいなところです。素敵なミュージシャンも商売抜きで協力してくださって、お客様が真剣に聴いてくださるので、すごく勉強になるし、励みにもなっています」

ライブ出演、ソロコンサートと活躍の場を広げているMihokoさんは、音楽教室も開講。ニコールでも定休日を利用し、毎月、第1と第3月曜日にピアノの生伴奏で歌のレッスン教室を開いている。


TOPへ戻る